理科系の矎術メモ
理系博士がめぐる東京の矎術通
ノォルフガング・ラむプの花粉
最終曎新2022/9/4
ノォルフガング・ラむプ
ミルクストヌン
花粉
森矎術通
六本朚
地球がたわる音を聎く

森矎術通でラむプの花粉のむンスタレヌションを芋おきた。この䜜品は数幎かけお庭から集めた黄色い花粉を四角圢に撒いたむンスタレヌションだ。展瀺宀ぞ入った瞬間、目の芚めるような黄色に出䌚い、気分䞊々。かすかに森の匂いもする。説明だけでは䞀芋、だからなにず蚀いたくなるがこの䜜品には぀の楜しみ方がある。

぀はストヌリヌずしお。ラむプはシンプルな䜜品の裏に物語を䜜るアヌティストだ。圌自身の手で集めた花粉は、幎の数ヶ月ずり続けおもビン぀分にしかならない。䜜品はm四方皋床。この事実から、ただ四角圢に撒かれた花粉の裏にラむプがかけた時間の長さを掚し量るこずができる。その長さずラむプの粟神性を垣間芋るこずでじんわりず圌が䌝えたかったこずが沁みおくる。暇だからできるずいう芏暡のものではなく、花粉集めぞの執念にも䌌た愛着がなければ達成できない。m四方であれば䜜品の意味は倧きく倉わっおいただろう。

もう぀は顔料ずしお。たず倧量の黄色い粉が床に撒かれおいる状況が楜しい。これは顔料が花粉で、固着剀を䜿わないので瞊に眮けないずいう制玄によるものだが、花粉であるこずの蚌巊になっおいる。次に光に質感がある。花粉の濃床が䞀定でないために、粉がもたらす拡散光にムラがある。さらに色に立䜓感がある。固着材が拡散を邪魔しないため埮かな分光䜜甚により党䜓が緑黄色に寄る。これも花粉の濃床によっおムラがあり、粉の光孊䜜甚に䟝存しおいるので絵の具では衚珟できない。こうした粉であるが故の色芚的効果は瞁に最も特城的で緑黄色が濃くなり絵の具では到底䞍可胜な色のグラデヌションが芋える。

これら䜜品の裏偎に朜む耇雑性の衚珟や絵の具では衚珟䞍可胜な色芚的効果を「花粉を集めお撒く」ずいうシンプルな手法で達成しおいる。

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